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circlePainter メモ (3)

RIFF は何の省略か。

Raster Image File Format の略である。Painter は最初に Macintosh 用に開発された。Macintosh ではファイルタイプは 4 文字なので RIFF ファイルが正式。Windows の「.rif」はちょっと前までの Windows の「拡張子は 3 桁まで」の制限に合わせたため。

ColorStudio の話

【 ZDNet Mac: 居酒屋「絵夢 D」色ばなし: 温故知新と New Morning その二 】 で言及されている ColorStudio というのは Painter の祖先。ColorStudio のもっと古いのが ImageStudio。このへんは 【 MacWire: fractal.com の大計画 】 にも言及あり。

ZDNet のリニューアルでどちらのページも消えました。IT 関連のウェブ記事を、これに関わるニュースサイトが消すとは、インターネットの基本理念の無視じゃないか、とか思っても、あくまで管理者の権限なのでしかたがない。ColorStudio はかなり昔の製品なので、ウェブに残っている情報も多くありません。【 ARTLab の業績紹介 】 には ColorStudio のマーケット開拓の事例があります。映像関係のポストプロダクションなど、映画とゲーム関係がターゲットだったようで、北米での Painter の市場ではこの分野が現在も重要視されているのは、この繋がりのようです。(このあたりは Painter IX 付属の Handbook に収録されている Painter の歴史解説や、そういう分野のプロによるチュートリアルからもうかがえます。)

【 Macworld: MetaCreations' Puzzling Move 】 では、MetaCreations が Painter などを手離すニュースに関連して、MetaCreations の歴史をたどっています。その概要の訳は以下のとおり。MetaCreations はウェブ関連技術を主力にしようとして方向転換したが、何か間違えたということのようです。

  • 1987 年 ― Fractal Technology(社長は Mark Zimmer)が開発した ImageStudio を Letraset が発売。
  • 1989 年 ― Fractal Technology が開発した ColorStudio が Letraset から発売される。価格は $1,995。Adobe が Photoshop を $1,000 を切る価格で投入。 ColorStudio のほうを高く評価するレビューもあったが、価格差で Photoshop がシェアを取る。その後 Letraset は Macintosh のグラフィックソフトから撤退。
  • 1990 年 ― Fractal Technology は ImageStuido と ColorStudio の販売権を取り戻し、社名も Fractal Design と変更。販売も自社で手がける方向に方針転換。この方針転換後に最初に発表したのが Painter で、これにはすぐにファンがついた。ColorStudio は売れ行きが悪く、ImageStudio とともに販売停止。
  • 1992 年 ― のちに Fractal Design と合併して MetaCreations となる相手側の Harvard Systems Corporation (後に MetaTools と改名)が Photoshop のプラグインである Kai's Power Tools を発売。Kai Krause がこの会社のメンバーとなる。HSC は一時、フランス発の Live Picture のアメリカでの販売を扱っていた。
  • 1997 年 ― MetaTools と Fractal Design が合併。社名を MetaCreations とする。その後の業績は芳しいものではなかった。
  • 1999 年 ― 春、MetaCreations は Kai Krause が社を去ったことを発表。このころ MetaStream (ウェブブラウザ用プラグインを介して 3D データを表示する技術)の開発。12 月 14 日、MetaCreations は会社組織の大幅な再編を発表。

ついでに Mark Zimmer の経歴について。【 SEMI 受賞者紹介 】 などによると、1970 年代末に Calma 社の Roger Sturgeon のもとで GDSII プロジェクトにかかわり、グラフィック・エディタ、コマンドライン・インタープリタ、「edit-in-place」表示システムの実装(Sturgeon と共同)を担当、同社で Tom Hedges と知り合い、二人で独立して Fractal 社を設立。

このあたりは Photoshop の初期の歴史でも言及されたりしています。たとえば 【 The Birth of a Killer Application: 10 Years of Photoshop (PDF) 】 (この記事はおすすめ)

Seybold Report on Desktop Publishing の Archive 内の記事 ⇒

Painter 8 が扱える 2 バイト文字。

Painter 8 英語版でも日本語のテキストが使えるが、2 バイト文字対応は日本語だけで、他の漢字圏言語には対応していない。(ニューズグループでのプログラム担当の発言より。)

レイヤーと GraphicWorks。

【 Biedny on Layers 】 でレイヤーの元祖として GraphicWorks が言及されてる。GraphicWorks は使っていたことがある(1988 年)。画像データは白黒 2 値だったが、レイヤーの合成モードというのがあって、そういう概念を学習するのにはたいへん役立った。あと、GraphicWorks は当時ではいちばん表現力のあるエアブラシを装備していた。他のアプリケーションは「スプレー缶」だった時代。

透明部分の RGB 数値

Painter では新しく透明レイヤーが作成された時、そのレイヤーの上にある各ピクセルの色の情報は RGB がすべて 0、すなわち黒。透明レイヤーにブラシで描画すると選択色の RGB 情報で置き換えられる。(レイヤーを不透明にしてスポイトで色を確認すると RGB すべてが 1 になる。これについては別項。) その後 Painter 7 までの「レイヤーの表示マスク」の編集や Painter 8 でレイヤーマスクの適用を実行して、部分的に「透明」にした部分も、色の情報はそのまま。

しかし、透明部分のある複数のレイヤーを「結合」したとき、透明部分の RGB 情報は再び 0 にリセットされる。

透明部分が黒であるために、一部のブラシで透明部分に描いたときに黒が混じってしまう問題について、ColorTalk で透明部分の色を変更して問題回避する方法は、【 ColorTalk スクリプト (4) 】 の「透明部分を透明なまま選択色に」を参照のこと。

レイヤー上でのスポイトの怪しい挙動

  1. 新規イメージを開き、選択色は「黒 = RGB 全部が 0」にしておく。キャンバスを黒で塗りつぶす(Command/Ctrl + F)。Dropper / スポイトで色を拾い、この数値が RGB で 0 であることを確認する。
  2. キャンバスの色を白にする。
  3. その上に新規レイヤーを作成(合成方法は「デフォルト」)。同じく黒で塗りつぶす。この上の黒をスポイトで拾うと HSV では 0 だが、RGB では 1 である。
  4. その上にさらに新規レイヤーを作成して、選択色の黒を正しく RGB = 0 に戻し、これで塗りつぶす。スポイトで色を拾うとこんどは RGB = 0 である。これは下のキャンバスを黒で塗りつぶして上のレイヤーの色を拾っても同じである。
  5. 白いキャンバスの上に黒のレイヤーを乗せたものを PSD で書き出し、Photoshop で開く。Dropper / スポイトで黒のレイヤーの色を拾うと RGB とも 0 である。
  6. 白いキャンバスの上の黒レイヤーを「固定」してキャンバス上の色をスポイトで拾うとやっぱり RGB = 1 である。

結論 ― スポイトのバグかと思ったら「レイヤーを固定」しても同じなので、これは Painter のレイヤー合成処理のバグである。この現象は Painter 6.0.2J 、Painter 7、Painter 8 のすべてで起きる。要するにレイヤーがかすかに透けてでもいるかのような結果になっている。

さらに、キャンバスが黒、その上に白のレイヤーを 2 枚置いての実験。白のレイヤーを 1 枚非表示にしてスポイトで色を拾うと RGB はそれぞれ 254。白が 2 枚だと 255。ここで合成方法を「デフォルト」から「フィルタ」あるいは「乗算」にすると 253。いわゆる「乗算バグ」の根源にちょっと近づいた感じではあるが、計算のどこがマズいのかは未解明。

「デフォルト」レイヤーがかすかに透けてしまう、というこの問題は Macintosh 版では生じていない。Windows 版のみのバグ。「乗算バグ」は両方に存在する。

Windows 版でも「環境設定」の「Windows」のところで「Enable MMX / MMX 使用」をオフにするとバグが出ない。(MMX は本来、計算処理を速くする装置なので、デフォルトでオンになってるが、オフにしても体感速度はあまり変わらないもよう。ひょっとしたらフィルタ関係で変わってくるかも。)

以上、Web 情報から。

Painter 7 (および 8 ?)でのキャプチャブラシ作成手順

すでにキャプチャブラシであるバリアントで「ブラシをキャプチャ」を実行しても、新しいキャプチャダブにすぐには置き換わらない。バリアントを保存して、さらに「ブラシを初期状態に戻す」を実行する必要がある。現在のキャプチャダブは「ブラシコントロール」パレットの「サイズ」セクションのブラシのプレビュー(サイズ+形状表示)を「ソフトモード」にしていると確認できる。(「ハードモード」はサイズと最小サイズの二重表示。円形の上でクリックすることでソフトモードとハードモードを切り替える。)

カスタムパレットのブラシアイコン

Painter 8.1 英語版パッチが出て(日本語版も出る予定)、カスタムパレットが復活したので、棚上げしていたこの問題にまじめに取り組む必要が出てきた。問題というのは、同じブラシカテゴリーに入っているバリアントは、カスタムパレット上でアイコンが同じになってどれがどれだかわかりにくい(ツールチップの表示というのがあるが、一呼吸遅れる)というもの。

ひとつずつ違うアイコンにするには当然ながら、バリアントひとつごとに別のブラシカテゴリーにする必要がある。Painter 7 以降ならブラシ関係はファイルが管理しやすいから、ブラシカテゴリアイコンを大量生産しておいてファイラーでフォルダを作ってそれぞれ割り当てる方法が取れる。ブラシカテゴリアイコンのファイルの仕様は 30 x 30 の JPEG。

カスタムパレットは ブラシライブラリをまたいで (違うブラシライブラリにある場合は自動的にライブラリを読み込んで)ブラシを切り替える機能があるので、そのへんをうまく利用してブラシライブラシを目的別に分類しておくのがよさそう。

輝度の低いモニターで作成した画像の最適化

目の疲れを最低限にするために液晶ディスプレイのバックライト量最低にしていると、コントラストの低い絵になりがち。全体に暗いところが多い絵の場合、暗いディスプレイだと暗い部分がじゅうぶん暗く塗れていない。しかし、暗くしたディスプレイ上で暗い部分の階調が小さくなった状態で最初から暗く塗るのはむずかしい。

そういう絵は「ふつうのちょっとまぶしいディスプレイ」に表示するとコントラスト不足で「眠い」絵になる。そこで修正。絵の全体(Painter ならクローンして見えているレイヤーをまとめることができる)の複製レイヤーを 2 枚作る。いちばん下が元の画像レイヤー(あるいはキャンバス)。その上のレイヤーは「乗算」モードにして不透明度を 20% から 50% くらいに下げる。(このレイヤーが全体の色を濃く、暗くする。) さらにその上のレイヤーは「オーバーレイ」モードにして、これも不透明度を 20% から 50% くらいに下げる。(このレイヤーでコントラストを上げる。) この全体をまたクローンして JPEG 保存なりを実行。

オーバーレイで色が強くなりすぎる場合、このレイヤーの彩度を落とす(「効果」−「色の調整」で彩度を下げる)。

テクスチャ+グラデーション

グラデーションを「画像内で表現」に使うとかなり面白いことになるが、あまり有効活用できていなかった、という問題と、グラデーションは「2 色グラデーション」以外のものは色が決まっているので、色変化のパターンと色相とが別々に選べず、思ったほど選択肢が多くない、という問題をクリアしつつ、上乗せテクスチャ的にテクスチャとの組み合わせで使う方法。

  1. 新規レイヤー作成。
  2. 白で塗りつぶす。
  3. 「Express Texture / テクスチャの表現」のダイアログで Gray Threshold / グレー境界 を 150%、Grain / 粗さ を 100%、Contrast / コントラスト を 100% の設定にして適用。このスライダ設定でテクスチャがそのまま転送できる 。テクスチャ倍率はこのとき調節しておく。
  4. このレイヤーに対して、好きなグラデーションを選び、グラデーションパレットのメニューから「Express in Image / 画像内で表現」を実行。「Bias / オフセット」のスライダを動かしてグラデーション開始位置のベストポイントを決める。(グラデーションの種類の選択は色相ではなく、色の組み合わせの特徴で選ぶ。)
  5. グレー濃淡が色で置き換えられたものを、こんどは「効果」の「Adjust Colors / 色の調整」で色相をずらす。(ここで目的の色相にする。)
  6. レイヤーの合成方法を「Hue / 色相」にして、レイヤーの不透明度を調節。

Windows ファイル「開く」ダイアログなど

Windows 2000 のみでの確認。「開く」、「別名で保存」などのダイアログで、いちばん上の大きい窓にフォルダとファイルのリスト、その下に「ファイル名」の欄、その下に「ファイルの種類」の欄がある。

ファイル名の欄にカーソルを移動して、ここでアルファベットの文字を入れると、カレントフォルダにあるファイルで先頭から順に文字列が一致するものだけが、この「ファイル名」の欄の下にドロップダウンリストとして表示される。いわゆる「インクリメンタルサーチ」機能。

このドロップダウンリストの右下には「つかむ」部分であることを示す、右下カドから斜め三本線が入っている。で、これをつかんで引っぱると、すごく伸びるので一覧しやすい。

このファイルリストは、下の「ファイルの種類」でフィルタされたものだけが表示される。

下絵の扱いかた

紙に描いた下絵をスキャンしたもの、あるいは Painter その他で描いた下描きを薄く表示しつつ、清書(ペン入れ)するときの方法について。

キャンバス上でのペン入れ がおすすめ。白いところが透明に抜けないから、と言って避けるのはもったいない。黒の線なら後から「自動選択(明るさ)」で選択して、新規の透明レイヤーをこの選択範囲で塗りつぶせば、白抜きができる。なぜ「キャンバス」か。Painter のブラシは「色を乗せる」ことと「透明レイヤーの場合、不透明度を設定する」ことを同時にやらなくてはならない。後者をやらないですむ状況でブラシを使ったほうが予想外の事態になりにくい。また、消しゴムの動作も透明レイヤー上では「不透明度を消す」ことになるが、キャンバス上では「紙の色として設定された色を塗る」動作である。明解。また、紙の色でふつうに描画することでもきれいに消せる。どのブラシでも消せるというのは使い分けがすごく便利。

よく紹介される「トレーシングペーパー」機能を使う方法
これはフローターもレイヤーもないバージョンならともかく、(Painter Classic 1 なら有効という意味)、他のバージョンで これを紹介するのは不親切 である。とても使いにくい。清書のほうも 50% の不透明度で表示されるために、何を描いているのかよく見えない。

わたしは初心者としてチュートリアルを見ながらこれを実行して、何て描きにくいんだ、と Painter を恨んだことがある。もちろん Painter が悪いのではなく、チュートリアルを書いた人の責任。さらにクローン元という「リンク」の仕組みがわかりにくいんで、けっこう「トレーシングペーパー」にならない、という質問が多く、得るものが少なく苦労が多い方法だと思う。

レイヤーに変換
基本的に「Select All / 全選択」−「Float / レイヤーに変換」して不透明度を調節しながら参照するのが便利。レイヤーにロックをかけておけば、誤って下描きに加筆することもないし、そのまま不透明度の変更はできる。ロックをはずした状態なら位置ずらしもできる。清書はキャンバスでもいいし、新規のレイヤーでもいい。キャンバスや下にあるレイヤーで清書するときは、下絵の 合成方法フィルタ あるいは 乗算 にしたほうが清書がよく見える。

写真などを下絵(参考画像)として使う場合は、単純にレイヤーにして不透明度を下げればいいが、線画のときは下絵の線の色を間違えにくい赤や水色に変更してしまったほうが清書しやすい。これは 【 ColorTalk 解説 】 参照。

線画を透明レイヤーに変換
【 線画をレイヤーに変換 】 で紹介している。下描きの線を選択範囲に変換、それを好きな色で塗りつぶす方法。ColorTalk を使わなくても色が自由になるのがポイント。

外部ビューワー併用
IrfanView の「Options」−「Always On Top」や、Linar の「ウィンドウ」−「常に手前に表示」を使って、小さいウィンドウで参考画像を Painter の手前に表示し、それを参考にしながら描く。ただし、Painter とビューワーとのアプリケーションの切り替えには注意。ウィンドウをクリックして切り替えると固まることがかなりある。Alt + Tab とかタスクバーでの切り替えなどで、きっちり切り替えるのがいい。Macintosh についてはこのへんツール含め未調査。画面が狭くなるので Painter のパレットをしまう、などの工夫も必要。

カラーセット内検索

Painter 7 までなら「アート素材」パレットの「カラーセット」セクションの「検索」ボタン(Painter 7 では双眼鏡アイコン)から、Painter 8 ではカラーセットパレットのメニューの「Find Swatch / 色の検索」呼び出す。

検索ダイアログでは「検索方法」として「By name / 名前」と「Closest to current color / 選択カラーの近似色」という選択肢があるので、ラジオボタン(黒丸をつけたほうが選択される)で選ぶ。「Begin / 検索」ボタンを押すと検索実行。

カラーセットの各 swatch (色見本の四角)に名前をつけておけば、この名前から検索することができる。しかし、同じ単語を含む swatch が複数あった場合、結果がひとつしか提示されないので、有効に使うには名前をつけるときに工夫が必要。この名前による検索は、カラーセットで色名表示をオフにしていても使える。

現在の選択色に近い色をカラーセットから見つける、という機能についても、複数校補を提示してくれないので、そこそこ整理されているカラーセットなら目で確認して選ぶほうがいいのではないか、と思われるような程度だが、場合によっては使えるかも。

Painter 8 のパレットを伸ばす

【 Painter 8 使いはじめガイド 】 でレイヤーパレットが他のパレットとドッキングした状態でも、レイヤーリストの下の境界線をつかんで移動できるという仕様を紹介したが、これはカラーセットのパレットでも同じだった。最小値は決まっているが、伸ばすほうは自由。ただし、パレットが単独の時と違って横幅は変えられない。この境界線のホットポイントは小さいが、つかんだ時のカーソルが「手のひら」にならないところを探すとわかりやすい。

Painter 開発のための Wet Lab

【 Seybold Report (1994 年 2 月号) 】 の Art Dabbler 開発経緯についての記事によると、Painter の 「natural media」ブラシの研究開発のために画材などを揃えた Wet Lab という場所があり、ここには邪魔が入らないよう電話も引いていなかった。このへんは Mark Zimmer と John Derry との共同研究。

この記事には、キャンバスを回転して描画できるのがすごい、ということ、この機能は次のバージョン(Ver. 3)の Painter にも搭載予定である、ということも記載されている。

Macintosh とのやりとり

実験したのは Mac OS 9.2.2。Mac OS X はまったく違うのではないかと思われるが、とりあえずわたしはインストールしたマシンを持っていないので、9.2.2 のみ。

Macintosh 版の Painter も RIFF ファイルの形式は同じ。しかし Mac OS ではファイルそのものの扱いが少し違うので、この RIFF ファイルにちゃんと .RIF とか拡張子をつけて保存しても、Mac OS 9 の「ファイル共有」で LAN 上に見えるように置き、Windows マシンのブラウザから「ファイルの保存」を実行した場合、保存したファイルが Windows 上の Painter からは開けない。自動的に追加される .HQX という拡張子を削っても開くときにエラーになる。

そこで 【 MacZip 】 というツールを使って圧縮してから、同じように「ファイルの共有」経由で渡し、Windows 上で解凍すると、出てきた RIFF ファイルはまったく問題なく使える。これは Mac Zip が Macintosh 特有のファイル構造をもっと共通性の高いものに変換してから圧縮しているかららしい。Mac Zip は、圧縮後のファイルの置場とファイル名と圧縮するファイル名をきちんと指定しないといけないので、ちょっとわかりにくいが、強力で便利なツール。

Macintosh と Windows ではモニター画面の基本的な「ガンマ」が違うので、Macintosh で描いた絵を Windows に持ってきて開くと白っぽくなる。Painter でのガンマの調節は「Correct Colors / 色補正」の「カーブ」画面を使用すればできるが、キャンバスやレイヤーを複製して上のレイヤーの合成方法を「Gel / フィルタ」あるいは「Multiply / 乗算」に変更、適当にレイヤーの不透明度を変更するという方法もある。

ガンマ変更を数値を確認して行うなら、他のツールを使ったほうがいい。無料で使える IrfanView でもできる。

色(単一・均等)のある背景を白に変更する

  1. 背景色をスポイトで採取する。
  2. 新しいレイヤーを作製し、採取した色で塗りつぶす。
  3. 塗り潰したレイヤーの合成方法を「Difference / 差の絶対値」にする
  4. この画像をクローンする
  5. 「Effects / 効果」−「Negative / ネガ効果」をかける。
  6. 色が薄ければ、全選択して選択部分を複製(F でレイヤー調整ツールに持ち替え、Alt を押しながらクリック)、あるいはレイヤーに変換してから複製、上になるレイヤーの合成方法を「Gel / フィルタ」にして不透明度を調節する。

Photoshop の場合、クローンするのではなく、全選択して「Copy Merged / 結合部分をコピー」して、新規ファイルにペースト。あとは同じ。

Painter 8 以降の「新規チャンネル」と以前の「新規マスク」

「新規チャンネル」はキャンバスの上でなくても作成できる。作成したとき、マスクは全体が塗り潰された状態で、全体が薄赤色で表示される。ここに 白で描画 することによってマスクされない 有効部分 部分を手描きできる。以前の「新規マスク」(ユーザーマスク)は「黒で描画」するところが「有効部分」であったのと反対。

この結果、Painter 8 以降のチャンネルを選択範囲として読み込むと、白い部分が塗り潰しなどができる選択範囲になる。Painter 7 までではこの逆。意図したのと反対になったときは、チャンネルの「Invert / 反転」を使う。

(Last Modified: 2004/05/12)

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