Painter メモ リスト |
Painter メモ (3) RIFF は何の省略か。 Raster Image File Format の略である。Painter は最初に Macintosh 用に開発された。Macintosh ではファイルタイプは 4 文字なので RIFF ファイルが正式。Windows の「.rif」はちょっと前までの Windows の「拡張子は 3 桁まで」の制限に合わせたため。 ColorStudio の話 【 ZDNet Mac: 居酒屋「絵夢 D」色ばなし: 温故知新と New Morning その二 】 で言及されている ColorStudio というのは Painter の祖先。ColorStudio のもっと古いのが ImageStudio。このへんは 【 MacWire: fractal.com の大計画 】 にも言及あり。 ZDNet のリニューアルでどちらのページも消えました。IT 関連のウェブ記事を、これに関わるニュースサイトが消すとは、インターネットの基本理念の無視じゃないか、とか思っても、あくまで管理者の権限なのでしかたがない。ColorStudio はかなり昔の製品なので、ウェブに残っている情報も多くありません。【 ARTLab の業績紹介 】 には ColorStudio のマーケット開拓の事例があります。映像関係のポストプロダクションなど、映画とゲーム関係がターゲットだったようで、北米での Painter の市場ではこの分野が現在も重要視されているのは、この繋がりのようです。(このあたりは Painter IX 付属の Handbook に収録されている Painter の歴史解説や、そういう分野のプロによるチュートリアルからもうかがえます。) 【 Macworld: MetaCreations' Puzzling Move 】 では、MetaCreations が Painter などを手離すニュースに関連して、MetaCreations の歴史をたどっています。その概要の訳は以下のとおり。MetaCreations はウェブ関連技術を主力にしようとして方向転換したが、何か間違えたということのようです。
ついでに Mark Zimmer の経歴について。【 SEMI 受賞者紹介 】 などによると、1970 年代末に Calma 社の Roger Sturgeon のもとで GDSII プロジェクトにかかわり、グラフィック・エディタ、コマンドライン・インタープリタ、「edit-in-place」表示システムの実装(Sturgeon と共同)を担当、同社で Tom Hedges と知り合い、二人で独立して Fractal 社を設立。 このあたりは Photoshop の初期の歴史でも言及されたりしています。たとえば 【 The Birth of a Killer Application: 10 Years of Photoshop (PDF) 】 (この記事はおすすめ) Seybold Report on Desktop Publishing の Archive 内の記事 ⇒ ◆ Painter 8 が扱える 2 バイト文字。 Painter 8 英語版でも日本語のテキストが使えるが、2 バイト文字対応は日本語だけで、他の漢字圏言語には対応していない。(ニューズグループでのプログラム担当の発言より。) レイヤーと GraphicWorks。 【 Biedny on Layers 】 でレイヤーの元祖として GraphicWorks が言及されてる。GraphicWorks は使っていたことがある(1988 年)。画像データは白黒 2 値だったが、レイヤーの合成モードというのがあって、そういう概念を学習するのにはたいへん役立った。あと、GraphicWorks は当時ではいちばん表現力のあるエアブラシを装備していた。他のアプリケーションは「スプレー缶」だった時代。 透明部分の RGB 数値 Painter では新しく透明レイヤーが作成された時、そのレイヤーの上にある各ピクセルの色の情報は RGB がすべて 0、すなわち黒。透明レイヤーにブラシで描画すると選択色の RGB 情報で置き換えられる。(レイヤーを不透明にしてスポイトで色を確認すると RGB すべてが 1 になる。これについては別項。) その後 Painter 7 までの「レイヤーの表示マスク」の編集や Painter 8 でレイヤーマスクの適用を実行して、部分的に「透明」にした部分も、色の情報はそのまま。 透明部分が黒であるために、一部のブラシで透明部分に描いたときに黒が混じってしまう問題について、ColorTalk で透明部分の色を変更して問題回避する方法は、【 ColorTalk スクリプト (4) 】 の「透明部分を透明なまま選択色に」を参照のこと。 レイヤー上でのスポイトの怪しい挙動
結論 ― スポイトのバグかと思ったら「レイヤーを固定」しても同じなので、これは Painter のレイヤー合成処理のバグである。この現象は Painter 6.0.2J 、Painter 7、Painter 8 のすべてで起きる。要するにレイヤーがかすかに透けてでもいるかのような結果になっている。 さらに、キャンバスが黒、その上に白のレイヤーを 2 枚置いての実験。白のレイヤーを 1 枚非表示にしてスポイトで色を拾うと RGB はそれぞれ 254。白が 2 枚だと 255。ここで合成方法を「デフォルト」から「フィルタ」あるいは「乗算」にすると 253。いわゆる「乗算バグ」の根源にちょっと近づいた感じではあるが、計算のどこがマズいのかは未解明。 「デフォルト」レイヤーがかすかに透けてしまう、というこの問題は Macintosh 版では生じていない。Windows 版のみのバグ。「乗算バグ」は両方に存在する。 Windows 版でも「環境設定」の「Windows」のところで「Enable MMX / MMX 使用」をオフにするとバグが出ない。(MMX は本来、計算処理を速くする装置なので、デフォルトでオンになってるが、オフにしても体感速度はあまり変わらないもよう。ひょっとしたらフィルタ関係で変わってくるかも。) Painter 7 (および 8 ?)でのキャプチャブラシ作成手順 すでにキャプチャブラシであるバリアントで「ブラシをキャプチャ」を実行しても、新しいキャプチャダブにすぐには置き換わらない。バリアントを保存して、さらに「ブラシを初期状態に戻す」を実行する必要がある。現在のキャプチャダブは「ブラシコントロール」パレットの「サイズ」セクションのブラシのプレビュー(サイズ+形状表示)を「ソフトモード」にしていると確認できる。(「ハードモード」はサイズと最小サイズの二重表示。円形の上でクリックすることでソフトモードとハードモードを切り替える。) カスタムパレットのブラシアイコン Painter 8.1 英語版パッチが出て(日本語版も出る予定)、カスタムパレットが復活したので、棚上げしていたこの問題にまじめに取り組む必要が出てきた。問題というのは、同じブラシカテゴリーに入っているバリアントは、カスタムパレット上でアイコンが同じになってどれがどれだかわかりにくい(ツールチップの表示というのがあるが、一呼吸遅れる)というもの。 輝度の低いモニターで作成した画像の最適化 目の疲れを最低限にするために液晶ディスプレイのバックライト量最低にしていると、コントラストの低い絵になりがち。全体に暗いところが多い絵の場合、暗いディスプレイだと暗い部分がじゅうぶん暗く塗れていない。しかし、暗くしたディスプレイ上で暗い部分の階調が小さくなった状態で最初から暗く塗るのはむずかしい。 テクスチャ+グラデーション グラデーションを「画像内で表現」に使うとかなり面白いことになるが、あまり有効活用できていなかった、という問題と、グラデーションは「2 色グラデーション」以外のものは色が決まっているので、色変化のパターンと色相とが別々に選べず、思ったほど選択肢が多くない、という問題をクリアしつつ、上乗せテクスチャ的にテクスチャとの組み合わせで使う方法。
Windows ファイル「開く」ダイアログなど Windows 2000 のみでの確認。「開く」、「別名で保存」などのダイアログで、いちばん上の大きい窓にフォルダとファイルのリスト、その下に「ファイル名」の欄、その下に「ファイルの種類」の欄がある。 下絵の扱いかた 紙に描いた下絵をスキャンしたもの、あるいは Painter その他で描いた下描きを薄く表示しつつ、清書(ペン入れ)するときの方法について。 キャンバス上でのペン入れ がおすすめ。白いところが透明に抜けないから、と言って避けるのはもったいない。黒の線なら後から「自動選択(明るさ)」で選択して、新規の透明レイヤーをこの選択範囲で塗りつぶせば、白抜きができる。なぜ「キャンバス」か。Painter のブラシは「色を乗せる」ことと「透明レイヤーの場合、不透明度を設定する」ことを同時にやらなくてはならない。後者をやらないですむ状況でブラシを使ったほうが予想外の事態になりにくい。また、消しゴムの動作も透明レイヤー上では「不透明度を消す」ことになるが、キャンバス上では「紙の色として設定された色を塗る」動作である。明解。また、紙の色でふつうに描画することでもきれいに消せる。どのブラシでも消せるというのは使い分けがすごく便利。 よく紹介される「トレーシングペーパー」機能を使う方法 わたしは初心者としてチュートリアルを見ながらこれを実行して、何て描きにくいんだ、と Painter を恨んだことがある。もちろん Painter が悪いのではなく、チュートリアルを書いた人の責任。さらにクローン元という「リンク」の仕組みがわかりにくいんで、けっこう「トレーシングペーパー」にならない、という質問が多く、得るものが少なく苦労が多い方法だと思う。 レイヤーに変換 写真などを下絵(参考画像)として使う場合は、単純にレイヤーにして不透明度を下げればいいが、線画のときは下絵の線の色を間違えにくい赤や水色に変更してしまったほうが清書しやすい。これは 【 ColorTalk 解説 】 参照。 線画を透明レイヤーに変換 外部ビューワー併用 カラーセット内検索 Painter 7 までなら「アート素材」パレットの「カラーセット」セクションの「検索」ボタン(Painter 7 では双眼鏡アイコン)から、Painter 8 ではカラーセットパレットのメニューの「Find Swatch / 色の検索」呼び出す。 検索ダイアログでは「検索方法」として「By name / 名前」と「Closest to current color / 選択カラーの近似色」という選択肢があるので、ラジオボタン(黒丸をつけたほうが選択される)で選ぶ。「Begin / 検索」ボタンを押すと検索実行。 カラーセットの各 swatch (色見本の四角)に名前をつけておけば、この名前から検索することができる。しかし、同じ単語を含む swatch が複数あった場合、結果がひとつしか提示されないので、有効に使うには名前をつけるときに工夫が必要。この名前による検索は、カラーセットで色名表示をオフにしていても使える。 現在の選択色に近い色をカラーセットから見つける、という機能についても、複数校補を提示してくれないので、そこそこ整理されているカラーセットなら目で確認して選ぶほうがいいのではないか、と思われるような程度だが、場合によっては使えるかも。 Painter 8 のパレットを伸ばす 【 Painter 8 使いはじめガイド 】 でレイヤーパレットが他のパレットとドッキングした状態でも、レイヤーリストの下の境界線をつかんで移動できるという仕様を紹介したが、これはカラーセットのパレットでも同じだった。最小値は決まっているが、伸ばすほうは自由。ただし、パレットが単独の時と違って横幅は変えられない。この境界線のホットポイントは小さいが、つかんだ時のカーソルが「手のひら」にならないところを探すとわかりやすい。 Painter 開発のための Wet Lab 【 Seybold Report (1994 年 2 月号) 】 の Art Dabbler 開発経緯についての記事によると、Painter の 「natural media」ブラシの研究開発のために画材などを揃えた Wet Lab という場所があり、ここには邪魔が入らないよう電話も引いていなかった。このへんは Mark Zimmer と John Derry との共同研究。 Macintosh とのやりとり 実験したのは Mac OS 9.2.2。Mac OS X はまったく違うのではないかと思われるが、とりあえずわたしはインストールしたマシンを持っていないので、9.2.2 のみ。 色(単一・均等)のある背景を白に変更する
Photoshop の場合、クローンするのではなく、全選択して「Copy Merged / 結合部分をコピー」して、新規ファイルにペースト。あとは同じ。 Painter 8 以降の「新規チャンネル」と以前の「新規マスク」 「新規チャンネル」はキャンバスの上でなくても作成できる。作成したとき、マスクは全体が塗り潰された状態で、全体が薄赤色で表示される。ここに 白で描画 することによってマスクされない 有効部分 部分を手描きできる。以前の「新規マスク」(ユーザーマスク)は「黒で描画」するところが「有効部分」であったのと反対。 (Last Modified: 2004/05/12) |
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