Painter ワークショップarrow  home   [print] prev  index      

circlePainter 6、7、8 の違い

Painter 6 がいまでも最強説、というのがあるようです。でも、Painter 6 がすべてよいわけではありません。重要と思われる相違点を書き出してみました。

(わたしは主に Windows 版ユーザーなので Painter 6 の縮小表示はどうせきれいではないし、ブラシ設定ファイルがテキストファイルになったことが「データの汎用性」信者としてたいへんうれしいので、いちおう Painter 8 支持者です。)

Painter 6

  • Macintosh 版では「領域を平均化して縮小画像を表示」をオンにしておくと、縮小表示したときの画面にアンチエイリアスがかかり、線画もきれいに表示される。Windows 版は関係ない。
  • 水彩が「旧水彩」である。Painter 6 までの水彩はキャンバス上にある「水彩レイヤー」に描画され、「乾燥」を実行するまで他のブラシで描画した部分とお互いに独立している。
  • アニメ作成(フレームに絵を描いていく方法での)が正常に機能。その後のバージョンでバグ混入。
  • レイヤーを結合するとき、どんな合成モードになっていても強制的にデフォルトに変更されるが、結合はできる。
  • ブラシ設定はバイナリファイルであり、Macintosh 版と Windows 版のあいだでは、CopyRSR がないとやりとりできない。が、Painter 5 と比較すると、ブラシの一時ファイルをブラシファイルの外に作るよう改善されている。
  • 画面のリフレッシュ(ディスプレイの再描画)は最低限。パレットを移動したあとが白い四角形に抜けたり、ときどきハングしたように見えて、実は処理しているあいだ再描画が止まっているということがある。
  • Mac OS X 未対応なので Classic 環境で使う必要がある。Windows XP でも問題が出ることがあり、起動などに問題がなくてもストローク遅延(描き出しでちょっともたつく)があるらしい。
  • パソコンの搭載メモリが 1 ギガ(1024 メガ)以上になると「メモリ不足」や「Out of Tiles」のエラーメッセージが出て起動しないことがある。詳しくは 【 マシン環境とタブレット設定 】 へ。
  • Windows 版では、Dynamic Text プラグインレイヤーで Windows の「@」つき(縦書き表示用)フォントを使うことで、テキストの縦書きができる。(テキスト全体を右に 90 度回転。)
  • Dynamic Text はシェイプに変換できない。シェイプにするには別のテキストツールのほうで。
  • Drag & Drop で開いたファイルは、「ファイル」メニューの下のほうの使用ファイル履歴に載るが、履歴から開こうとするとエラーになる。(Windows 版での確認)

Macintosh でのきれいな縮小画面表示は、Mac OS X で切り捨てられた QuickDraw によるものだったらしい(伝聞情報断片にもとづく推測)なので、だとすればこれが Painter 6 for Mac でしか有効でないのは当然。QuickDraw を使用すると他の処理に負担はまったくかからないので重くもならず、理想的だった。画面のリフレッシュ関係も、新しいバージョンでは改善しようとして他の問題が出ているところがある。

Painter 7

  • ブラシファイルが XML ファイルになった。Mac 版と Windows 版で共通に使える。テキストエディタで開いて編集することができる。ブラシを比較するのも簡単。Grep を知っているとなお便利。
  • 水彩が「新水彩」になって、重いし用途を選ぶブラシになった。
  • 新しく搭載された「リキッドインク」は重いので気軽に使えない。(でもじつはドロー系なのでそれなりにすごいことをやっている。)
  • レイヤーがちゃんとロックされ、「下の色をサンプリング」機能がついた。(6.1 で追加修正。)
  • 右クリックメニュー(コンテキストメニュー)の導入。ブラシカテゴリー内でのバリアントの持ち替えが楽になった。
  • ズーム倍率が自由になったが、縮小表示のときアンチエイリアスはかからない。(Windows 版では Painter 6 よりは少しだけきれい。)
  • カスタムパレットはまだある。
  • Macintosh 版に CopyRSR が付属しなくなった。(これがないといろいろなライブラリの形式が Macintosh 版と Windows 版のあいだで変換できない。)
  • 画面のリフレッシュが頻繁になり、それに絡んで Windows XP 日本語版との組合せでストロークの描き出しに遅延が生じた。日本語版の XP パッチでバグフィックス。
  • 画面のリフレッシュ頻度が上がったせいで、情報が多い場合(レイヤーが多いなど)のズームや回転が重くなった。(これは Painter 8 にも残っている。)
  • Dynamic Text がシェイプに変換できるようになった。(ベースラインを変更したものもテキストに変換可。)
  • ColorTalk の Preview が機能するようになった。
  • このバージョンだけユーザーガイドの PDF 版が付属していない。
  • Windows 版では Ctrl + Tab によるドキュメントウィンドウ切替えができないバージョン。
  • スクリプトで記録時のオプションが「最初の状態から記録」になっていたり、いったんテキストに書き出して不要部分を削除したものでも、再生開始と同時にブラシカテゴリーとブラシバリアントの最初のものが選択されてしまうバグ。ブラシバリアントの変更を含まないスクリプトでは、この変更が残ったままスクリプトが終了することになる。
  • ブラシトラッキングが記憶されるようになった(正確には 6.1 から)。
  • 「木版効果」の追加(6.1 から)。

Painter 8

  • レイヤーマスクが Photoshop 形式になり、旧バージョンの「表示マスク」(これは「レイヤーの不透明度」と同じ)とは切り離された。Photoshop とのやりとりで問題が出にくくなった。
  • マジックワンドがやっとまともになった。(連続していない同じ色の部分を、個別に選択範囲に加えていくことができるようになった。)
  • 旧水彩の穴埋めとしてデジタル水彩が追加された。が、バグ多し。
  • レイヤーリストにサムネイルがついてわかりやすくなった。
  • レイヤーを「グループ化」したまま Photoshop とやりとりできるようになった。
  • Windows 版でアート素材などのアイコン一覧が 25 個を越えても表示されるようになった。
  • イメージ全体を見渡せる Info パレット。
  • ブラシコントロールパレットが、アクセスするのに画面切替えが必要なブラシクリエイターに変更になって、ちょこっと設定変更ということが不可能に。でも、じっくりオリジナルのブラシを作るときには、わかりやすい。とくに「Stroke Designer / ストロークデザイナー」で設定を変更するとリアルタイムに更新されるストローク見本は、とても参考になる。
  • カスタムパレットがなくなった。「いつものブラシ」とか「いつものスクリプト」置場に使ってたユーザーには大ショック(使用ブラシの「履歴」だけなら Tracker で)。(8.1 アップデータでカスタムパレットが復活しました。)
  • ショートカットで範囲指定してズームするときに 10000 倍になるバグが取れた。
  • PSD ファイルの書き出しで圧縮がかかるようになった。ただし Photoshop が作成するような、サムネイル内蔵の PSD ファイルは作れない。(そういうわけで、Photoshop が作る JPEG 内蔵 PSD よりファイルサイズが小さくなったように見えたりする。)
  • 画面のリフレッシュが頻繁になったので、一部ちらついて見える。ストローク遅延は解消されている。
  • 言語まわりの多言語対応がされて、英語版でも日本語が問題なく使える。テキストツールの入力も、レイヤー名やブラシ名での日本語使用もまったく支障がない(こういうところは地味だけどかなり偉い)。Windows 版での縦書きフォントの使用は不可(リストに出てこない)。
  • タブレットペンの ID をきちんと認識し、個別のペンでの前回使用ブラシと色が記憶される。(だいぶ前からこの機能がバグってたのが、今回修正されたらしい。)
  • ネットペインターがなくなった。どうしても繋いでやりたいかたは、【 クラブ吉野家 】 の「牛丼」や、筆圧はありませんが【 Javaなお子様的HP 】 の「お絵かきしぃちゃっと」などをどうぞ。後者は JAVA アプレットなので Windows でも Macintosh でも使用できます。
  • Windows 版では「開く」ダイアログから「ブラウズ」ボタンがなくなった。
  • 「カラーセット」のロックというものがなくなったので、カラーセットに色を追加するためにいちいちロックをはずす手間がいらない。(「保存」を実行するまではカラーセットのファイル本体に変更がないのは、以前のバージョンとおなじ。)
  • 各種パレットのセクションが個々のパレットとして独立。表示・非表示はこのパレット単位で設定でき、パレットどうしを好きなようにドッキングする(くっつける)ことができる。
  • Painter 7 までのように、「環境設定」−「インターフェース」のダイアログから、パレットの背景の色を指定したり、パターンを指定したりすることはできなくなった。「ウィンドウの背景色」が指定できなくなったのは、ちょっと残念。
  • ツールボックス内のメインカラーとサブカラーの四角をダブルクリックすると、OS 標準の「カラーピッカー」が立ち上がるようになった。(Photoshop に近くなった。)
  • 新水彩(Painter 7 で搭載された「リアル」と称する水彩)の「Capillary Factor / キャピラリ」の、中間値も 0% あるいは 100% にしか読み込まれないバグが取れて、中間的な設定が可能になり、使い物になるバリアントを作成できるようになった。
  • マスクへの描画モードになっているとき、カラーピッカーの色見本がグレースケールになるので、わかりやすくなった。
  • パレットを全部隠して終了しても、次に起動した後で「パレット非表示/戻し」の Tab キーを押すと、前回表示されていたとおりに表示される。

以上、書き忘れはいろいろありそうです。「このバージョンについて、ここはどうなのか」という質問などありましたら、メールフォームから(直接メールでも)どうぞ。

Painter 8 で、「これってバグ?」と思ったら、【 Painter 8 のバグ 】 で確認してください。

(Last Modified: 2003/09/20)

    もどるreturn  home prev  index