テクスチャとブラシ設定
テクスチャとブラシ手法
ブラシの各バリアントの設定はブラシコントロールパレットの各セクションで行いますが、描画にテクスチャがどのように反映されるのかを決めるのは、基本的に一般セクションの Grain (粗さ)と Subcategory (手法バリエーション)です。もうひとつ、Expression (表現設定)セクションにも同じ Grain (粗さ)の項目がありますが、これは一般セクションの設定に準じます。
Grain (粗さ)の設定で、描画されるストロークにテクスチャをどのくらい反映するかが決まります。ブラシを使っているときは常にコントロールパレットに表示されている項目なので、その場で調節しながらブラシを使うことができます。
しかし、じつはテクスチャの扱いかたが Subcategory (手法バリエーション)によって違うので、ブラシのテクスチャ表現を調節するには、この項目にも気を配る必要があります。といっても、手法(バリエーション)の名前に「テクスチャ」と入っているもののみでテクスチャ表現が可能で、他の手法は関係ありません。
たとえばこれは Painter 6 のデフォルトのテクスチャライブラリに入っている「ひび」テクスチャ(部分)です。明るいところと暗いところがわかりやすいので例にします。
ブラシの「手法」を Cover (塗潰し)にしたとき、テクスチャを反映する手法バリエーションには Grainy Flat Cover (塗潰し+フラット+テクスチャ)、 Grainy Soft Cover (塗潰し+ソフト+テクスチャ)、 Grainy Edge Flat Cover (塗潰し+フラット+濃厚+テクスチャ)、 Grainy Hard Cover (塗潰し+ハード+テクスチャ)があります。
このうち Grainy Flat Cover (塗潰し+フラット+テクスチャ)は「粗さ」設定に関係なくつねにテクスチャが反転してはっきり表現され、Grainy Edge Flat Cover (塗潰し+フラット+濃厚+テクスチャ)は濃淡が2値しかない、たぶんウェブ画像用ブラシのための手法バリエーションなので、通常よく使うのは Grainy Soft Cover (塗潰し+ソフト+テクスチャ)と Grainy Hard Cover (塗潰し+ハード+テクスチャ)になると思います。この2つをそれぞれ Grain (粗さ)を変えて描画するとこんなふうになります。Opacity (不透明度)は 15% です。
Grainy Soft Cover 30%
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Grainy Soft Cover 100%
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Grainy Hard Cover 30%
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Grainy Hard Cover 100%
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上の表からわかるように、Grainy Soft Cover (塗潰し+ソフト+テクスチャ)では、テクスチャの明暗が反転して(テクスチャの白い部分が濃く着色されて)表現されるとともに、「粗さ」設定が大きくなるほどテクスチャがはっきり出ています。いっぽう、Grainy Hard Cover (塗潰し+ハード+テクスチャ)ではテクスチャの明暗はそのまま表現され、「粗さ」設定が小さいほうがテクスチャがはっきりしています。
また、水彩ブラシの挙動は Grainy Soft Cover (塗潰し+ソフト+テクスチャ)と同じような感じです。Painter 7 の水彩も基本的にこれです。
Painter Classic ではブラシがカスタマイズできませんが、「チョーク<ソフト>」と水彩ブラシのみ前者、ほかは後者のようです。
設定のポイント
このように Grain (粗さ)設定の反映のされかたは Grainy Soft Cover (塗潰し+ソフト+テクスチャ)と Grainy Hard Cover (塗潰し+ハード+テクスチャ)では違い、「粗さ」設定が大きくてもテクスチャが強く出るとは限らないことに注意する必要があります。後者の手法で「粗さ」の数値が低いとストロークがかすれるのは、テクスチャがはっきり出すぎた結果です。
どういう計算をしてるのか考えると、たぶん、ソフトでは「ぜんぶ塗潰し状態からテクスチャを『粗さ』ぶんだけ引き算」、ハードでは「何も塗ってない状態からテクスチャを『粗さ』ぶんだけ足し算」、というところではないでしょうか。
水彩と Grainy Soft Cover (塗潰し+ソフト+テクスチャ)ではテクスチャは反転して、テクスチャの黒いところが薄い色で表現されるので、全体に黒っぽいテクスチャの場合、思ったより薄く着色されることになります。反対に、白っぽいテクスチャを使うと、Grainy Hard Cover (塗潰し+ハード+テクスチャ)のブラシが思ったより薄く描画されます。このへん、テクスチャとブラシの組合せによってはうまくいかない結果にもなるので、留意しておくべきだと思います。
(Last Modified: 2002/04/28)
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