Painter が使うファイルの種類
Painter をインストールしたときに作成されるファイル、および、使用を開始したときに作成されるファイルのうち、内容を把握しておいたほうがよいもののリストです。Painter IX を中心に解説しています。また、ファイルのリストは Windows 版のものです。(現在、Mac OS X が走るマシンがないので、すいません。)
アプリケーションフォルダのファイル
「アプリケーションフォルダ」とは、Painter をインストールしたフォルダのことです。
Painter 8 までで、Painter のフォルダと言えば、このフォルダのことです。すなわち、Painter 8 まででは、アプリケーションが参照するデータもユーザーがカスタマイズした結果を反映するデータも、すべてインストールしたフォルダ内にあります。Painter IX でのアプリケーションフォルダとユーザーフォルダを合成したものと同等です。
重要な変更点 ― Painter IX では、アプリケーションフォルダの内容は、インストール後まったく変化しません。何か問題が起きたときは、Shift キーを押し下げながら Painter を起動すると、古いユーザーフォルダの内容を消して、アプリケーションフォルダにあるデフォルトのファイルを新規にコピーすることで、トラブルを解消するようになっています。Painter 内部からカスタマイズしたファイルは、すべて「ユーザーフォルダ」にあることに注意してください。
- Painter IX.exe ― Painter アプリケーション本体
- Painter.rsr ― リソースファイル。メニュー、カーソル、その他の部品
- PainterDialogs.rsr ― リソースファイル。ダイアログ内容を格納
- Painter.frs ― Selection Portfolio / 選択範囲ポートフォリオ(初期状態)
- Painter.nzl ― nozzle library / ノズルライブラリ(初期状態)
- Painter.pap ― paper library / テクスチャライブラリ(初期状態)
- Painter.pcs ― default color set / デフォルトのカラーセット(初期状態)
- Painter.por ― Image Portfoliio / イメージポートフォリオ(初期状態)
- Painter.ptl ― pattern library / パターンライブラリ(初期状態)
- Painter.ssd ― script library / スクリプトライブラリ(初期状態)
- PAINTER.PRE ― preset file / プリセットファイル(初期状態)
グラデーションと Weave(テキスタイル)、ColorTalk スクリプトなどを格納。
- Brushes フォルダ ― ブラシライブラリ格納用フォルダ
- Brushes/Painter Brushes ― ブラシフォルダ内のデフォルトのブラシライブラリ
- Box.id ― 起動にかかわる何らかのファイル。これをリネームすると起動時のスプラッシュが表示されなくなり、新機能の Welcome Screen も起動しなくなる。
- Plugins フォルダ内の ARP ファイル ― ダイナミックプラグインや、プラグインブラシ。同じフォルダの rsr ファイルはそのためのリソースファイル。
ブラシバリアントファイルについては、【 ブラシファイルの構造 / Painter 8 のブラシファイル 】 の説明も参考にしてください。
この他にもファイルがありますが、アプリケーションフォルダ直下にあるファイルは全て必要なファイルですから、削除や移動で起動しなくなるおそれがあります。グラデーションやテキスタイルは、ライブラリ編集メニューから個別のファイルに書き出すこともできます。
Painter 8 までは、PAINTER.PRE の代わりに Painter.set ファイルがあり、ここに Painter の設定とグラデーションデータなどがまとめて保存されています。このファイルが壊れると起動しなくなるので、正しく動作しているうちにバックアップしておくか、バックアップがない場合はインストール CD-ROM から再導入します。
Painter 7 までは PainterDialogs.rsr ファイルの内容も Painter.rsr ファイルにまとめて格納されています。
ユーザーフォルダのファイル
「ユーザーフォルダ」とは、システムが作るログインユーザー名のフォルダの下の Painter フォルダのことです。たとえば、Windows では
C:\Documents and Settings\username\Application Data\Corel\Painter IX
というようなパスになります。Macintosh でも同等のユーザーフォルダが作成されます。username のところはログイン名。Windows では、エクスプローラのフォルダオプションの「表示」で、「すべてのファイルとフォルダを表示する」にチェックを入れておかないと 見えない ので注意が必要です。
Painter IX では、英語版もその他の言語のバージョンも、すべてこの同じパスにユーザーフォルダを作成します。英語版と日本語版ではブラシその他の名前が違い、本来は使い分けをするべきですが、その場合、先にインストール・起動したほうのユーザーフォルダをリネームしてから、別の言語バージョンをインストール・起動、これもユーザーフォルダをリネームして、それぞれの起動の直前に使用するほうのフォルダ名を Painter IX に戻すという動作が必要です。同じフォルダで起動しても致命的なエラーは起きないようです。
Painter 8 まででは、ユーザーフォルダはありません。ライブラリ内容などを変更するとすべてアプリケーションフォルダのファイルが直接変更されます。
- PAINTER.SET ― Painter 本体の設定ファイル(個別ユーザー用)
最初の起動時に作成される。壊れると起動しなくなるが、Shift キーを押し下げながら起動することでユーザーフォルダが初期化されると、自動的にまた作成される。
- CustomPalettes.pal ― カスタムパレット(カスタムパレット全部のまとめデータ)
- Painter.frs ― 選択範囲ポートフォリオ(ユーザーデータ)
- Painter.nzl ― ノズルライブラリ(ユーザーデータ)
- Painter.pap ― テクスチャライブラリ(ユーザーデータ)
- Painter.pcs ― デフォルトのカラーセット(ユーザーデータ)
- Painter.por ― イメージポートフォリオ(ユーザーデータ)
- Painter.ptl ― パターンライブラリ(ユーザーデータ)
- Painter.ssd ― スクリプトライブラリ(ユーザーデータ)
- PAINTER.PRE ― プリセットファイル(個別ユーザー用)
グラデーションと Weave(テキスタイル)、ColorTalk スクリプトなどを格納。
- Painter.MSW ― ミキサーパレットのカラーセット。11 色でデータ形式はカラーセットと互換性あり。
- Painter.MXS ― ミキサーパレット本体のデータ
- Brushes フォルダ ― ブラシバリアントを使用すると、そのコピーがここに作成され、以後の設定変更はそのコピーファイルに対して行われる。ユーザーが新しく作成したブラシバリアントもここに作成される。
古いバージョンの BRS ファイルをインポートしたときも、新形式に変換したファイルは Brushes フォルダの下に新しくフォルダを作成する形で作成される。
- puiconfig.xml ― アプリケーションフォルダからコピーされる設定ファイル。詳細未検証。
- Tracker Settings.xml ― Tracker / ブラシ履歴パレット の内容データ。ブラシバリアントファイルとほとんど同じ形式。
ユーザーデータは、ユーザーが意図的に保存しなくても常に自動的に上書き保存されます。カラーセットなどを読み込むとき、追加ではなく新規に読み込めば、これまで使用していたものが消えてしまい、Painter.pcs ファイルの内容が読み込んだもので置き換えられます。ユーザーフォルダのライブラリファイルは、重要なカスタマイズをしたらバックアップしておく必要があります。
どこにあってもよいファイル
言い換えれば、どこにあるかわからないファイル、でもあります。自分で保存するときはしっかり場所を確認しましょう。専用のフォルダを作ってそこに保存するようにすると迷子になりません。
Windows では「開く」ダイアログの拡張子指定がずれて、そこにあるはずのファイルなのに見えない状態になることがあります(Painter のバグ)。こういうときは、ファイル名に「*.*」(半角で星印、ピリオド、星印)と入力してリターンを押すと、すべてのファイルが見えるようになるので、そこから選択します。
以下、Windows の拡張子による分類です。
- .rif ― Painter が作成する画像ファイル。このファイル形式であれば Painter IX のデジタル水彩が乾燥されることなく保存でき、シェイプなどもそのまま。圧縮をオフにしなければファイルは小さくなるが、大きいファイルになると圧縮でエラーになってデータをなくすことがあるので注意。
- .psd ― Painter は Photoshop 互換でファイルを保存することができる。Painter 8 でレイヤーマスクのデータが互換になり、圧縮もされるようになった。Painter IX ではさらに細かい部分で互換性アップ。その他の画像形式は省略。
- .frm ― Painter のムービーファイル。ムービーは続き番号のついたファイルとしても書き出し、および、読み込みができます。これをさらに他の形式で書き出すことでムービーとして利用できるようになります。たとえば QuickTime 形式で書き出せば mov ファイルが作成でき、Windows 版では avi ファイルも作れます。アニメ GIF も可。
- .pcs ― Painter Color Set / カラーセットファイル。カラーセットファイルには .txt のものもあるので注意。
- .txt ― Painter の Color Sets フォルダに付属してくるカラーセットファイル、スクリプトを書き出したテキストファイル、など。
- .pap ― 用紙テクスチャライブラリ
- .ptl ― パターンライブラリ
- .nzl ― ノズルライブラリ
- .ssd ― スクリプトライブラリ
- .frs ― 選択範囲ポートフォリオ(パスベースの選択範囲を入れておくファイル)
- .por ― イメージポートフォリオ(イメージ部品をレイヤーとして入れておくファイル)
- .grd ― グラデーションライブラリ
- .lit ― 照明効果ライブラリ
- .wev ― テキスタイルライブラリ
- .msw ― ミキサーのカラーセット(Mixer SWatches)
- .mxs ― ミキサーのミキサーパッドデータ(MiXer Scratch pad)
- .pks ― キー設定ファイル。Painter IX 以降の「環境設定」−「キー設定」で、「フロッピー」のアイコンをクリックして保存する。「フォルダから取り出す」アイコンで読み込む。Windows 版と Macintosh 版では互換がない。(Painter Key Set)
- PREVIEW.PIX ― Windows 版で画像ファイルを保存したとき、保存したフォルダに作成されて蓄積されていくサムネイルのファイル。画像ファイルと連動していないのが欠点。大きくなりすぎると保存動作に影響が出るので、たまに削除も必要。
(Last Modified: 2005/02/18)
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