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circleプラグインブラシの種類と効果

ヘルプやユーザーガイドにプラグインブラシについての個別の解説がないので、実際の挙動を見てまとめてみました。

ここで プラグインブラシ と言っているものは、ブラシの設定の「手法」としてのプラグインであり、フィルタ系のプラグインとは種類が違います。

プラグイン手法のリスト

以下、プラグイン番号(ブラシ XML ファイルでプラグイン番号として使われる番号)、英語名、日本語名、プラグインの効果、重要パラメータ、(効果のわかりやすい言い換え)、を順にリストしています。

XML ファイルでのプラグインの指定は「plugin-parameters」のセクションの「identifier」の項目で具体的に名前で行われるようです。

プラグインでは通常、「不透明度」を上げると効果が大きくなり、記述のないものについては「粗さ」設定は無効です。

0.   Confusion Brush混乱ブラシ
 絵具を細かい粒子にして斜め四方向に散らすような感じでぼかす。
不透明度 大 でぼかしが粗くなり、場合によっては汚くなる。
(ランダムな粒子のあるぼかし。)
1.   Scratch Remover Brushスクラッチリムーバーブラシ
 滑らかにならすようにぼかす。周囲と違うピクセルを周囲と同じにする。
(粒子のないぼかし。)
2.   Hue Brush色相ブラシ
 選択色の色相に変える。「補充量 0」のときはストロークの開始点の色相をひきずって広げる。
(色相を部分的に均等にする。)
3.   Hue Add Brush色相追加ブラシ
 「アート素材」−「色」の円環を時計回り(右回り)で順に色相を変えていく。
(一定の順序で変色。)
4.   Hue Sat Brush色相 (正しくは、色相・彩度)
 選択色の色相と彩度に合わせて色を変える。「補充量 0」のときはストロークの開始点の色相と彩度をひきずって広げる。
(色相と彩度を部分的に均等にする。)
5.   Sat Add Brush彩度追加ブラシ
 彩度を変える。粗さの 50% を中間点 (0) として、値が大きければ彩度を上げ、小さければ彩度を下げる。(「粗さ」に筆圧などによる表現が設定されていると、効果が揺れるので注意。)
(彩度を上げたり下げたり。)
6.   Val Add Brush明度追加ブラシ
 明度を変更する。不透明度の 50% を中間点 (0) として、値が大きければ明度を上げ、小さければ明度を下げる。
(色相と彩度は変えないで色の明るさを変える。)
7.   Val Add Sat Sub Brush明度追加+彩度低減ブラシ
 不透明度の 50% を中間点 (0) として、値が大きければ明度を上げ、小さければ明度を下げる。同時に彩度を下げる。
(明るさを変えながら彩度は下げる。)
8.   Glow Brushグロウブラシ
 選択された色を乗せながら、明度を上げる。
(色つき発光効果。)
9.   Graphic Print Brushグラフィックプリントブラシ
 明るさのコントラストを上げ、彩度を上げ、細部を滑らかにする。
(鮮やかで平坦になり、細部は溶ける。)
10.   Overlay Brushオーバーレイブラシ
 明るさのコントラストを上げ、彩度を上げる。細部はコントラストの強い粒子になって残る。
(鮮やかで平坦、細部はギザギザ。)
11.   Add Grain Brushテクスチャブラシ
 現在選択されているテクスチャにもとづいて、テクスチャを追加する。
(テクスチャ陰影追加。)
12.   Blur Brushブラーブラシ
 ピントがぼけるように柔らかにぼかす。Photoshop の「ぼかしツール」に相当。
(ソフトフォーカス。)
13.   Comb Brush櫛ブラシ
 画像の濃淡の境目の強さをもとに、ストロークに沿った方向で、細かい溝を入れる。溝の幅などの調節なし。
(ちりめん皺効果。)
14.   Relief Brushレリーフブラシ
画像の濃淡の境目の強さをもとに、右下に影をつける方向で、細かい溝を入れる。
(レリーフ均等皺効果。)
15.   Sharpen Brushシャープブラシ
なぞったところだけ画像にシャープ効果をかける。
(くっきりさせる。)
16.   Bulge Brushふくらみブラシ
なぞったところだけ、ブラシの形に「ふくらみ」効果をかける。ブラシチップの形状によってふくらみが変わる
(透明ガラス盛り上げ。)
17.   Deep Well Brush球体ブラシ
円形のブラシでひとつずつ置くと透明球体が手前にあるような効果。(周囲まで取り込んで円形に歪める)。ブラシチップの形状によってふくらみが変わる。
(手前にガラス玉。)
18.   Diffuse Motion Brush拡散(モーションブラー)ブラシ
ストロークの方向にそって粒子をひきずりながらぼかす。
(方向のあるぼかし。)
19.   Diffuse Pull Brush拡散(引っぱり)ブラシ
少しぼかしながらこすったように色をひきずる。
間隔 小 でひきずる粒子が細かくなり長さが伸びる。
(パステルを指でのばしたような効果。)
20.   Horizontal Crease Brush水平ひだブラシ
ブラシが触れたところを中心に、周囲の画像を縦につぶしてブラシの下の絵を置き換える。
横方向のストローク向き。
(横方向の溝。)
21.   Left Twirl Brush左渦巻きブラシ
ブラシが触れたところの画像を左向きの渦巻にねじる。
同じ位置で繰り返すと続けてねじる。
22.   Liquid Brushリキッドブラシ
下にある色をねっとりと引きずるブラシ。ねっとり感が「塗料」の「にじみ」による混色より油絵具っぽい。以前のバージョンから「サージェントブラシ」に使われている。
23.   Pinch Brushつまみブラシ
画像が埋め込んである柔らかいガラスを、ブラシ接地点の中心をつまんで持ち上げる感じに歪ませる。「ふくらみ」が丸く出っぱるのに対して、先端がとがった出っぱりができる。
24.   Right Twirl Brush右渦巻きブラシ
ブラシが触れたところの画像を右向きの渦巻にねじる。
25.   Simple Diffuse Brushシンプル拡散ブラシ
自然な感じに粒子を拡散させてぼかす。
間隔 小 でぼかしの粒子が細かく滑らかになる。
26.   Vertical Crease Brush垂直ひだブラシ
ブラシが触れたところを中心に、周囲の画像を横につぶしてブラシの下の絵を置き換える。
縦方向のストローク向き。
(縦方向の溝。)

プラグインファイルなど

こういった「プラグインブラシ」は Plugin フォルダの中にインストールされる Painter 独自の plugin ファイルによって実現されています。Painter 5 まで順次追加されたようです。それぞれの plugin ファイルに格納されている効果の種類は以下のとおり。

  • extra.arp ― 混乱ブラシ、スクラッチリムーバーブラシ。
  • hsv.arp ― 色相ブラシ、色相追加ブラシ、色相彩度ブラシ、彩度追加ブラシ、明度追加ブラシ、明度追加+彩度低減ブラシ。
  • sfx.arp ― グロウブラシ、グラフィックプリントブラシ、オーバーレイブラシ。
  • texture.arp ― テクスチャブラシ、ブラーブラシ、櫛ブラシ、レリーフブラシ、シャープブラシ。
  • warp.arp ― ふくらみブラシ、球体ブラシ、拡散(モーションブラー)ブラシ、拡散(引っぱり)ブラシ、水平ひだブラシ、左渦巻きブラシ、リキッドブラシ、つまみブラシ、右渦巻ブラシ、シンプル拡散ブラシ、垂直ひだブラシ。

XML ファイルのプラグインブラシの identifier (プラグインブラシの種類指定)のところで使われる名前は、たとえば「シンプル拡散ブラシ」では「FDC MAZ Simple Diffuse Brush」となっています。Fractal Design Corporation Mark A. Zimmer ですよね、たぶん。(FDC ERJ Glow Brush などもあり、この ERJ は Erik Johnson というプログラマーらしいです。)

ということは、今後はプラグインブラシの追加は望めないのかも……。ちょっと淋しいですね。

2003/08/03 - プラグインファイルの項目修正。

(Last Modified: 2003/08/03)

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