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写真からバラを描く写真を参考資料にして、バラを描くサンプルです。資料に使ったのは Painter IX に付属の素材写真の 1 枚。植物を描く場合、花だけではなく葉やつぼみ、その他、いろいろ入れるほうが作品らしくなりますが、ここではとりあえず花の部分だけ、こんな手順で描く方法もあります、という解説です。 大まかに輪郭をとるまず適当な大きさの新規キャンバスを開き、さらに新規レイヤーを作成します。そのレイヤー上で鉛筆や木炭の小さいサイズのものを使って、下描きを描きます。全体の形をつかむことだけを考えて、ごく大まかに、しかし、どこが花の中心になり、どのあたりに大きい部品があるのかには注意して位置を決めます。ピンクのバラを描くので、反対色の緑で下描きをしました。今回の絵は紙のテクスチャはいらないので、無地のテクスチャを使っています。(どのテクスチャでも、テクスチャパレットでコントラストを下げれば無地と同じになります。) 参考にした写真は IrfanView というビューワで表示し、常に手前に表示する設定にして、その後ろで Painter で作業しました。Painter の中でウィンドウを 2 つ使って表示するとか、印刷物をディスプレイのそばに立てかけて参考にする、などという描きかたもできます。 植物を描くときは、単純に見たとおりを描くだけでなく、その植物を見慣れているときは、知っている特徴を考えながら形をつかんだほうが、それらしいものになります。たとえばバラの花は少し開きぎみになったときに外側の花びらの両側が外にめくれて、花びらの形が少し三角に近くなり、そういう形の花びらが外周にあるために花全体の形も三角に近い形になります また、写真を参考にして描くといっても、かならずしもそのとおりに写す必要はないので、花びらの形をより自分の理想に近いものに変形するとか、汚れやキズは描かないとか、そういうことも自由です。輪郭を目で見て描くよりトレースして描きたい場合は、次のような手順で作業を進めます。
作業がある程度進むごとに、いったんファイルを保存して次に進みます。 大まかな陰影をつける下描きを描いたレイヤーから、その下のキャンバスに移動して、花の陰影を大まかに入れます。ここでは 【 水彩代用ブラシ 】 を使いました。ここでの例のような手順で描く場合、とても普通なブラシ(「塗潰し手法」のブラシ)を使ってください。たとえば、「ティント」の「標準丸筆」や、「グワッシュ」の「ウェットグワッシュ丸筆20」などがおすすめです。 ここで大まかな陰影を先につけているのは、そのほうが形をつかみやすいと思うからです。線だけで考えるより、面や立体のほうがしっかり把握できます。こういった大まかな陰影は、線画をきっちり描く場合の下描きとしても有効です。
細かい陰影を入れる
次に、下書きの線のレイヤーを非表示にして(レイヤーパレットで目のアイコンを閉じる)、キャンバス上の陰影に描き足していきます。輪郭線も入れながら、花びらの陰影をより細かく入れます。輪郭と陰影を同時にだんだん細かくしていくのには、鉛筆など塗潰しブラシのサイズの小さいもので、線も面も描いてしまうと便利です。暗い部分は濃い色で、明るい部分は明るい色や白で描き入れます。面は線をたくさん引いて陰影の感じをつけます。
原寸だとこんな感じ。陰影の線が目立っていますが、あとで全部なめらかにしてしまいますので、ここではこれで大丈夫です。
仕上げ
最終段階では鉛筆と、【 水彩代用ブラシ 】 であれば watery fuzz blend のサイズを少し小さくしたものを使い、Painter の標準ブラシライブラリであれば、「ブレンド」カテゴリから感触の合うものを選んで、鉛筆の線を周囲になじませます。なじませたあと、必要であればさらに鉛筆で濃淡を描き足し、またなじませる、という作業でだんだん仕上げます。花びらの端は輪郭線として濃い色ばかりでなく、白を入れる必要がある場所もあります。
鉛筆の線は、Painter のブレンドブラシ(「塗料」がゼロで「にじみ」値の高い「塗潰し」ブラシならどういうブラシでも)を使えば、こんなふうに跡形もなくなじませることができます。
(Last Modified: 2004/12/31) |
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