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circle写真の水彩風フィルタ処理 (3)

他のプラグインや効果を使った例

PaintEngine と Simplifier に加えて 【 DC Plugin Filters 】Outliner4 (Windows 用フリーウェア)も水彩っぽい効果を出すのに使えます。(このプラグインを使って Painter で描いた絵に水彩境界をつけ加える方法を 【 フィルタ処理による水彩境界 】 で解説しています。)

edger dialog

Outliner4 のダイアログで「プリセット」の Edger を選択、上のように Contrast A のスライダを 1 に変更してフィルタ処理すると、色が変化する場所に柔らかい輪郭ができ、水彩っぽい濃淡が出ます。

begonia fuzz 左の例では、まず PaintEngine の「mass poster」プリセットを量を 1.0 に減らして適用、その後 Outliner4 の「Edger」を使いました。

また、15% ほど明るさを上げてあります。

テクスチャは「Drawing Paper Textures」ライブラリの「Water」を使い、テクスチャオーバーレイの不透明度 40%、表面テクスチャを 18% にして組み合わせたものです。

(画像をクリックすると全体図を表示します。)

 

water fuzz この例では、最初に PaintEngine で下記の設定の「water fuzz」プリセットを適用して、強いぼかしをかけ、その後、PaintEngine の「mass poster」プリセットの量を 1.0 で適用して平坦な色面を作っています。「mass poster」を使うと少し暗くなるので、明るさも 10% 上げました。

テクスチャオーバーレイは「Water」テクスチャ使用で不透明度 50%。表面テクスチャなし。

 

PaintEngine 用プリセット「water fuzz」の設定値(fmachine.ini ファイルに保存される数値):
1,1,0,0,0,0,0,0,5,0,200,500,23,1,-10,12,29,0,180,4294967241

まず、設定はどうなっていてもいいので、PaintEngine ダイアログから新しく「water fuzz」という名前でプリセットを保存します。その後、Painter をいったん終了してテキストエディタで fmachine.ini を開き、「water fuzz」の設定部分を上記のものと置き換えれば、次回からこのプリセットが使えます。

いちばん上の例で使用した、PaintEngine の「mass poster」の量を 1.0 で適用、その後 Outliner4 の「Edger」を Contrast A を 1 にしてかける、という処理は、つぶれてしまっては困る細部がたくさんある画像に向いています。

moderate blur original   moderate blur 1

上の例では、もとの写真(左)にフィルタを適用することで、水彩っぽい均等な色面を作りつつ、輪郭は保持できています。(さらに「明度」を 20% 上げてあります。テクスチャ処理はなし。)

プラグインなしで

平らな色面ができる処理(ぼかし処理含む)と、色が変化するところに境界を作る処理を組み合わせる、という水彩風処理の基本方針は、プラグインなしで Painter の基本機能のみを使っても有効です。

たとえば、均等な色面を作るのに Posterize / ポスタライズ 効果が使えます。(プラグインレイヤーの「Posterize / ポスタライズ」も使えます。Painter 7 や Painter 8 では色数を変更したあとは方向キーなどによる数値の確定が必要です。) 「Woodcut / 木版」効果で黒を入れずに処理しても似た傾向の結果になりますが、ポイント色(周囲と大きく違う、範囲の狭い色)が消えてしまいやすいので、「Posterize / ポスタライズ」のほうが使いやすいと思います。

posterize original   posterized

ここでは左の元画像に Posterize / ポスタライズ 効果のレベルを 8 に設定して適用しました。少しだけ色の境界を柔らかくする(アンチエイリアスをかける)ために、まず 50% にリサイズ、その後 200% にリサイズして元の大きさに戻すという処理をしています。(えらく原始的な方法ですが、「フォーカス」−「ソフト」より求めていた結果に近くなりました。)

色の境界線を強調するためには、Painter 6.1 で追加された「Woodcut / 木版」効果を使いました。

均等な色面と、色の境界線とを作成するには、まず最初に画像を 2 つに複製してから作業する必要があります。レイヤーなら「複製」(Painter 7 以降ならレイヤーリストからの右クリックメニューが便利)、あるいはコピーして Shift + Command / Ctrl + V で元と同じ位置にペースト、あるいはクローン作成で複製できます。

woodcut dialog

「Woodcut / 木版」効果のダイアログでは、色は使用せずに黒だけにチェックを入れ、さらに設定を調節して黒い輪郭線が細目になるようにします。ここでは上の設定を使いました。

使っているバージョンが Painter 8 であれば、もっと繊細な輪郭線がほしい場合、「Sketch / スケッチ」効果を使用するともっと細い線が抽出できます。

posterize outline   posterize combined

色面と輪郭線がそれぞれできたら、次にこの二つをを合成します。クローン複製で輪郭を作成した場合は、キャンバスを全選択して「レイヤーに変換」、すでにレイヤーであればそのままで、合成方法を Gel / フィルタ に変更、その下のキャンバスを明度 50% のグレーで塗潰して、輪郭線レイヤーをキャンバスに固定します。(その結果が左の画像。) 輪郭線のレイヤーは色面レイヤーの上に「オーバーレイ」モードで乗せたいので、輪郭線以外の部分は「オーバーレイ」モードでは下の画像にまったく影響を与えない 50% グレーにする必要があるわけです。

こうしてできた輪郭画像は「全選択」−「コピー」(色面と同じファイル内であれば「レイヤー変換」)して、色面画像の上にずれないように乗せます。(ペーストは Shift + Command / Ctrl + V で。) さらにこの輪郭レイヤーに「フォーカス」−「ソフト」効果を量を 3 にして適用、レイヤーの合成方法を「オーバーレイ」に変更します。さらにレイヤーの不透明度のスライダで、輪郭線の強さを調整。ここでは 70% にしました。

(Outliner4 についてはメールをくださった Dan さんに教えてもらいました。Thank you, Dan.)

(Last Modified: 2003/10/18)

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