素材コーナー 入口arrow  home   [print] prev  index  next    

circle写真からシームレスパターンを作る

デジタルカメラで撮った写真はコンピュータで使う素材として便利です。継ぎ目のない(シームレスな)パターンに加工するには、画面のなかに遠近がないイメージが扱いやすいと思います。これから素材収集に出かけるなら、そのへんを意識して撮影してみてください。

パターンに加工する写真を選択したら、それを使う目的に合った大きさに縮小します。メニューの「キャンバス」−「サイズ変更」で倍率変更します。最終的に使うパターンは、ウェブ素材でなければ、ファイルとして大きくなっても別にかまわないのですが、そういうのを使うとコンピュータのメモリを圧迫することは考慮したほうがいいと思います。

Painter 7 日本語版では、数値を入力したあとでカーソルキーのどれかを押すか、タブキーでフォーカスを移動しないと、数値が確定されません。そうならないと縦と横のサイズの比率が自動的に保持されないので、混乱します。バグのようですが、とりあえずガマンしてカーソルキーを押しといてください。

縮小した写真を少し色調節して(うちのデジタルカメラだと、緑が黄ばんだような褪せたような感じに記録されるので、「効果」−「色調処理」−「選択色の調整」をかけました)、そこからパターンにするのに向いていそうな、均等なところを正方形に選択してコピーし、「編集」−「新規画像にペースト」を実行したのが左の画像です。

シームレスパターンにするのには別に正方形じゃなくてもいいんですけど、いちばん繰り返しが気にならないのは正方形ですね。シームレスにしたいので、パターンセクションのメニューから「パターン化」を実行します。

「パターン化」が実行されると、その画像が現在のパターンになります。パターンセクションの絵が変化しないときは、絵にカーソルを置いて引きずってみてください。表示が更新されて現在のパターンが反映されます。

シームレスにするには、Painter のクローン機能を使います。写真を材料にすると切り取った四辺にはどうしても継ぎ目ができます。そこを写真のほかの部分のパーツを複写して描き込むことで、ゴマカシていきます。また、場合によってはパターンとして見ばえがするように、パーツをコピーしてふやします。

まだ選択したもとの画像のほうは開いたままです。その状態で「新規画像にペースト」したほうの絵から「ファイル」ー「クローンソース」でもとの絵を選択します。「コピー先」のファイルから「コピー元」のファイルを指定するわけです。(ここで元の絵が開いたままになっていないと、クローンソース選択リストに出てきません。)

クローン関係の用語はピンとこないものが多いようです。(わたし自身、理解するまで苦労しましたので。) クローン描画(クローニング)ではつねに「元になる画像」と「元の画像を使いながら作成する画像」とがあります。「元になる画像」を ソース、「作成する画像」を ターゲット と呼びます。

ソースとは source、すなわち、何かが出てくるところ、何かをもらってくる相手、ある動作の 出発点 です。この場合、ソースはクローン描画に使われる画像です。「ソース」という単語は他にも、「ブラシコントロール」パレットの「一般」セクションで、レンダータイプのブラシについて、何を使って描画するかを指定する項目として存在します。

ターゲットとは target、すなわち、射撃の的、到達点など、動作の 終着点 です。

参照ポイント (reference point) は、クローンソース画像をそのまま、たとえばトレーシングペーパー機能を使うときのように、写し取るのではなく、位置をずらしたり、変形して写したりするときに指定する 基準点 です。

クローン元の画像から欲しい部分だけ写しこむには、クローンブラシを使います。最初からクローンブラシとして用意されているものだけでなく、どのブラシバリアントを使っていても、「カラー」のセクションにある クローンカラー の四角にチェックを入れると、選択色表示が 半透明 になり、ブラシがクローンブラシ状態に切り替わります。

ツール選択がブラシで、かつ クローンカラー 描画状態であるとき、ポイント間クローン描画 のための ソースの参照ポイント を指定できるようになります。この状態で Painter 7 以降では Alt (Macintosh 版では Option、Painter 6 では Win が Shift、Mac が Ctrl)を押しながら、クローン元画像 の上でカーソルを動かすと、左の絵にあるような 十字カーソル(クロスヘアー)になります。この十字カーソルで写したい場所をクリックして、その場所に小さい 緑色 の丸と数字の 1 が表示されたら指定は完了。

ここで クローン先画像(現在編集中のパターン)のウィンドウに戻ります。クローン元画像と両方が見える状態に配置しないと作業はむずかしくなりますので、できるだけ並べて表示しておきます。ウィンドウで画像以外のところをクリックして、こちらのウィンドウをアクティブにしたのち、ソースで緑色の丸をつけた位置の絵をコピーしたい場所をこちらの画像の上で Alt + Shift (Macintosh 版では Option + Shift、Painter 6 では Win、Mac ともに Ctrl + Shift)を押し下げながらクリックして指定します。小さい 赤色 の丸と数字の 1 が表示されます。あとは普通と同じにブラシで描くだけ。「環境設定」−「一般環境設定」の クローンでの作業中に十字ポインタをオリジナルに表示 がオンになっていると、ソース画像のほうに十字カーソルが表示されて、それがターゲット画像でのブラシの動きに連動して動くので、正確に写したい範囲だけをコピーすることができます。つぎにソースの参照ポイントを指定しなおすまで、ずっと同じ関係を保って描画されます。

現在編集中のパターンの外の領域にカーソルが出ると、こちらのパターンでは「ループ状態」になっているので反対側からカーソルが出てきますが、参照元画像でもループが起こり、予期しないものが写し込まれるので、注意して下さい。

また、写真をシームレスにするには、切り取ってパターンにしたイメージそのもののなかに「参照ポイント」を指定してコピーしてもいいのですが、元の大きい画像のほうがコピーの材料になるものが多いのでこっちでやっています。同じ原理で、まったく別の写真なり絵なりをソースに指定して部分的に配置することもできます。

作成中のパターンのほうは、ループ状態になっている(そのはず)なので、Space + Shift (あるいは「手のひらツール」+ Shift )で画像をぐるぐるループさせて、継ぎ目を編集しやすい位置に移動しながらクローン作業をします。

継ぎ目を消して、花の数を増やしたのがこれ。部品としての花や葉っぱが一部欠けているところを、少し手描きでごまかしたり、葉っぱの重なりの違和感を減らすためにコピーした葉の周囲に影を手描きしたりしています。また、花の配置にはそれなりに気を使っています。

【 全画面表示 】 もどうぞ。(なんと言いますか、デジタルならではですが、ちょっとブキミ。)

このパターンのバリエーションは 【 パターン素材 ― 写真使用のパターン 】 にあります。(上のパターンももう少し画質のいいものを置いてあります。) ファイルサイズが大きいのでウェブ背景には向いていません。

2005/01/17 ― キーボードショートカットの加筆と修正。

(Last Modified: 2005/01/17)

    もどるreturn  home prev  index  next