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circleスクリプト機能の概要

Painter のスクリプトとは

このページの解説は Painter 8 の画面やメニューの構成に基づいて書いていますが、Painter 4 以降のフルバージョンならどれでもスクリプトは使えます。ただし、その内容は少しずつ変化してるので、注意も必要です。

マニュアルには細かいところまで説明があります。

Painter のスクリプトには 2 つの側面があります。

  1. Painter の起動から終了まで、画面表示の倍率変更など「描画にかかわらない操作」をのぞき、動作がすべて自動記録 されている、その記録のこと。この自動機録は「スクリプトパレット」のスクリプトのリストで、Painter 起動時刻をスクリプト名として追加されていきます。(自動記録の保存期間はデフォルトでは 1 日となっています。スクリプトのファイルは巨大になるので、ここの日数はふやさないほうが安全です。)
  2. スクリプトパレットで「記録」(赤い ボタン = ビデオレコーダーなんかと同じ)を押すことで録画が始まり、「停止」(黒い ■ ボタン)で録画を止める、という操作で、記録したいところだけを保存 したもの。これは「停止」したときに名前をつけるように要求されますので、そこで名前を指定するとリストに追加されます。操作に失敗したときは「キャンセル」して記録を破棄します。

自動記録スクリプトを何日ぶん蓄積しておくかは、Painter の「環境設定」の「一般設定」で設定します。

スクリプトの利用目的

(1) の自動記録の利用

Painter が突然終了してしまい、作業が保存できなかったときの、作業のリプレイ。これについては 【 安全を期した使いかた 】 に手順を書きました。再生するときは、作成中で保存したファイルが上書きされないように、そのファイルの名前を変更してから。

(2) の意図的な「作業録画」の利用

  1. 複数ステップの作業をまとめて記録しておき、まとめて再生することで作業を効率化(自動化)する。Photoshop のアクションにあたるが、Painter のスクリプトにはブラシ描画も記録するという特徴がある。
  2. ブラシによる描画過程を録画しておき、その再生データからアニメーションを作る。(マニュアルの「スクリプトの内容をムービーに変換する」の項を参照のこと。)
  3. 「全選択」した状態で小さいサイズで描画過程を録画しておき、キャンバスサイズを大きくして、再度「全選択」して再生することで劣化のない大きい画像に変換する。(マニュアルの「スクリプトを新規の解像度で再生する」の項を参照のこと。)

アクション的使いかたの手順

Photoshop のアクション的に使うときは、スクリプトを保存したのち、カスタムパレットに登録 しておくと便利です。

まず、ふつうにスクリプトを記録して再生する手順。作業ではさまざまな「効果」などのダイアログで設定した 数値が記録 されるので、効果の設定を記憶させるのにも使えます。

  1. まず、Painter での作業の記録をする。スクリプトパレットを開き、特にアート素材を指定する必要がある場合以外は、スクリプトパレットメニューの「オプション」から「Record Initial State / 最初の状態から記録」の チェックをはずす
  2. スクリプトパレットの (記録)ボタンを押して、記録を始める。
  3. 途中によぶんな動作を入れないように計画して作業を進め、終わったら ■ (停止)ボタンを押す。スクリプトに名前をつけるように求められるので、名前をつけて保存する。途中で何かミスしたときは、ここで「キャンセル」を押す。
  4. スクリプトを使うときには、リストから目的のスクリプトを選んでタイトルが表示されている状態にして、右三角(再生)ボタンを押す。

次にいったんテキストに書き出して編集してから、読み込んで使う手順。

スクリプトパレットメニューの「開く」から、スクリプトパレット内で開いて内容を確認することができますが、ちょっとスクリプトが長くなると、狭い画面で編集作業をするのがむずかしいこと、スクリプトをまたがったコピーやペーストなどの編集作業をするのに、いちいち一つのスクリプトを閉じてもう一つを開く必要があること、など、あまり便利ではありません。編集するならテキストに書き出したほうが便利です。しかし、レイヤー作成関係でテキストからの読み込みに問題が出ます(Painter 8 で確認)ので、そういう作業のないものに限ります。

  1. 作業の「記録」と「保存」については上と同じ。
  2. スクリプトパレットメニューの「開く」を選択してスクリプト選択ダイアログを呼び出す。
  3. テキストに書き出したいスクリプトのタイトルを選択し、「Export / エクスポート」ボタンを押す。保存位置の選択とと保存ファイル名の入力を求められるので、指示に従ってテキストファイルとして保存する。
  4. テキストエディタでこのファイルを開いて編集する。編集がすんだら保存しなおす。
  5. Painter のスクリプトパレットメニューから再度「開く」ダイアログを呼出し、「Import / インポート」ボタンを押す。ファイル選択ダイアログからテキストファイルで編集し終わったファイルを選択、読み込む。
  6. Painter のスクリプトとしてのタイトルをつけるよう要求されるので、名前をつけて保存。

テキストファイルに書き出すと、スクリプトの内容はこんなふうになっています。これは「最初の状態から記録」のチェックをはずして、アート素材の種類や設定、選択されているブラシバリアントなどについての情報が入っていない、シンプルなものの場合です。

script_version_number version 8
artist_name "Kaburaya"
start_time date 2004年1月1日 time 12:00
clone
end_time date 2004年1月1日 time 12:01

上のスクリプトで実際に実行しているのは「clone」の一行だけです。これは「クローンの作成」です。それ以外はスクリプトの「箱」的なデータです。「artist_name」のところには Painter をインストールして最初に起動したときに設定したユーザー名が入ります。(Painter IX には、ここに名前が入らないバグがあります。)

Painter から書き出すとこのように、スクリプト記録日時なども入ったものになりますが、テキストから読み込むときは、上と同じ内容であれば、

clone

だけで動きます。ただし、ここで、最後に改行が必要 です。

ブラシ描画データも記録されていると、ブラシの位置や筆圧、角度や傾きなどまでが細かく記録された厖大な行数になります。(逆に考えると、テキストでブラシの挙動を指定したものを読み込んで実行させると、人間の手には描けないようなものが描ける可能性があります。)

スクリプトのアイコン

スクリプトを保存すると、その画像のその時点での内容が縮小されて、そのスクリプトのアイコンになります。アイコンを自由に変えることはできません。テキストファイルから読み込んで保存したスクリプトは、最初に実行したときの対象になった画像がそのアイコンになります。

スクリプト使用上の注意

Painter のスクリプト機能には、一部バグがあります。

  • 新水彩のレイヤー作成は普通に記録してもプレイバックできない。ちゃんと記録するためにはいったんキャンバスに移動し、そこで新水彩ブラシを使って自動的に新水彩レイヤーを作成させる。(回避法は Charako さん経由の 零 さんの情報です。)
  • レイヤー作成はテキストファイルに書き出したものを読み込めない。

(Last Modified: 2005/06/24)

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