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パソコンのしくみそのものに慣れていないかたは、NHK 教育テレビ番組の内容をウェブページにした 【 デジタル進化論 】 に一度目を通すと、パソコンの一般論がかなり身につくと思います。さすがに NHK の教育テレビだけのことはあって(それなりに資金と時間を投入していると思われる)、視野が広くて教育的でわかりやすい。大人が読んでも面白く読めます。

circleパソコン画像の基礎知識

デジタルなデータとは

デジタルなデータはわれわれが住んでいるこの「物理的現実」とはちょっと違う「あっちの世界」に存在します。次のようなポイントを押さえておく必要があります。

ここはほんとにパソコンを始めたばかりの人を対象に書いていますので、当たり前のことが多いです。

  • デジタルなデータには直接触れられない。
  • コンピュータという「あっちの世界とこっちの世界の橋渡し」の道具を使って操作しているのである。
  • 絵を描くときは「あっちの世界」はコンピュータ・ディスプレイ越しに見ることになる。コンピュータ・ディスプレイは「透明ガラス」ではない。色の出かたはディスプレイの能力や設定(ハードウェアの設定、ディスプレイドライバの設定、表示しているアプリケーションの設定)次第。
  • 変更を加えるときは、メモリの上に展開しなければならない。
  • この状態ではコンピュータの電源が切れれば消滅。
  • 電源に問題がなくても、「あっちの世界」をいじっている遠隔操作のマジックハンドが「もつれた〜」(バグった)という状況になると、展開したデータがぐちゃぐちゃになって、こっちの世界からはどうしようもない。
  • 「保存」というのはこのメモリの上に展開して作業した結果を「まとめて」、ハードディスクなどの記録媒体に書き出すことである。
  • この「書き出す」作業もコンピュータの指令で行うので、エラーが起きる可能性はある。
  • 保存したデータも「あっちの世界」のものなので、それを書いたアプリケーションがもう一度こっち側に見えるように再構築してくれないと、内容を見たり、手を加えたりすることができない。
  • 保存したデータファイルは劣化しないコピーがたくさんつくれる。
  • 「あっちの世界」では「場所」は「名前」でしかない(目に見える大きさがない)。どこにファイルを保存したかは本人しかわからない。(インストール場所や、ファイルの保存場所は、自分でよく意識すること。)

Painter で「絵を描いている」と、なかなかリアルな感触で、「紙の上でやることをパソコンの上(中)でやってるだけ」な感じがするかもしれませんが、最初に一回だけでいいので、デジタルの掟を確認 しておいてください。上のような原則があるために、次のような注意が必要です。

  • 実メモリ上に展開しなければデータを編集できないので、データの大きさに応じて、コンピュータ上にじゅうぶんなメモリを確保する必要がある。(Photoshop や Painter ではパソコンにじゅうぶんなメモリを積むことが非常に重要。空きメモリを減らす常駐ソフトは少なく。)
  • 仮想メモリも補助的に必要なので、ハードディスクの空きも重要。仮想メモリをどこに置くか、とういう設定もちゃんとやる。
  • ディスプレイ上の見えかたは、絶対的なものではないことを忘れない。
  • 保存ファイルは、一部でも欠けると「壊れたファイル」になって解読不能になるので、データの保存についてのエラー回避と、ファイルのバックアップはしっかりやる。ハードディスクはときどき壊れる、ということも忘れずに。CD-R その他のメディアも絶対ではない。
  • 大事な作品については、高画質の出力(印刷)をして、「こっちの世界」にもコピーを作っておくと安心かもしれない。ただし、印刷したものも色褪せなどの問題がある。

デジタルな画像とは

  • Painter が扱う色は RGB。それぞれのピクセルについて、R(赤)、G(緑)、B(青)が 16 進数で 00 から FF までの幅の数値で表現。10 進数では 0 から 255 になる。
  • チャンネル(マスク)は色はなく、00 から FF の間の数値。レイヤーの不透明度も同じ。
  • RGB(赤・緑・青)は光の三原色。3 色すべてが 0 の時に黒、255 の時に白。赤と緑のみ最大値、すなわち FFFF00 (255,255,0) ならば、黄色。
  • HSV(色相・彩度・明度)の数値は、この RGB から計算して表示している。Photoshop の HSB とはいろいろ違うところもある。ちなみに Photoshop の CMYK モードは「特定の出力設定に基づいて」 RGB から変換しているので、設定によって変化する。CMYK は「こっちの世界」の基準、とも言える。「あっちの世界」の基本は RGB。
  • RGB の三原色というのも、人間の眼に見える色を基準にして作られたシステムなので、光と色についての一般論に基づいているわけではない。
  • ベクターデータ(点 A と点 B を結ぶ曲線を数学式で定義する、という作業の積み重ねでできているデータ) 以外 の絵(Painter や Photoshop のデータのほとんど)は、ピクセル単位で数値を持つ ラスターデータ である。
  • ラスターデータでは「ピクセル」が基準になる単位である。出力するときに 1 インチあたりに何ピクセルを詰め込むのか、というのが「解像度」で、dpi (dot per inch) あるいは ppi (pixel per inch) という単位を使う。
  • データの大きさは、ピクセルの数(キャンバスの縦横のピクセル数)と、レイヤーの枚数(チャンネルなどがあれば、さらにそのデータぶんも追加)で決まる。印刷用の大きさが同じでも、解像度の設定によってピクセルの数は変化する。印刷用にデータに埋め込まれる「解像度」設定は画面表示には関係がない。
  • Painter のデータは RIFF 形式以外で保存すると、何かの要素が失われる。特殊な画材を使っていない場合は PSD 形式でもほとんど損失がない。RIFF と PSD については、圧縮をオンにしてもデータの劣化はない。が、Photoshop と Painter のバージョンによっては互換性に注意。(Painter 7 までのれイヤーマスクは Photoshop と互換ではない。) また、大きいデータを圧縮 RIFF で保存するときにエラーになってファイルが壊れやすいので注意。

(Last Modified: 2004/07/01)

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