Painter ワークショップ [print] |
タブレットとペンを快適にタブレットペンを太くするボールペンの世界で Dr. Grip がシェアを取って以来、太くて握りやすいペンが広く好まれるようになったようです。実際、ペン軸が太いほうが、長いあいだ握っていたあとでペンを離すと指がそのままの形に固まってしまった、ということがないという実感があります。 WACOM の intuos には「プロフェッショナルペン」という軸太タイプが追加販売されましたし、intuos 2 は最初から付属のペンがこの軸太タイプです。これはプロフェッショナルペンと比較すると、消しゴムスイッチのぶんだけ重心が後ろに(6 ミリくらい)あるので、プロフェッショナルペン(15.5 グラム)と intuos 2 のペン(17 グラム)は多少感触が違います。 intuos の前の機種の ArtPad 2 (現在の Cintiq も)はペンが細いだけでなく太さが均一だったので、Dr. Grip のグリップ部分のシリコンゴムをはずしてタブレットペンにはめて使うなどということもできたようですが、intuos 1 のペンにこれをやろうとすると、途中でつかえてしまいます。 そういうわけで、別な方法を……。基本的に何でもいいから軸に巻いて太くすればいいんですが、できるだけ簡単で可逆的なもの、ということで おゆまる を紹介します。 これは消しゴムの「まとまるくん」と香りつき消しゴムで有名(?)な家庭的文房具メーカー 【 ヒノデワシ 】 の商品。東急ハンズなどにもありますが、小学校の近所の文房具屋さんには置いてある確率が高いです。小学生の女の子がターゲットらしく、色と匂いがついています。 これは何か、というとお湯に入れて暖めて、ある温度になると可塑性が出るので、熱いうちに形を作れば冷えたら普通のプラスチックになる、というもの。似た材料に「自由樹脂」というものがありますが、それが「急速にひじょうに軟らかくなり、冷えたときのできあがりが固い」のに比較して、「おゆまる」はじわじわ軟らかくなり、固まったあとも弾力性があって、ハサミやカッターでの加工ができます。 そういうわけで、この おゆまる を手で握るあたりに巻きつけたのがこれ。上が intuos 1 のペン、下がストロークペン。軟らかいうちに実際に握って指に添う形にすることができます。この例では断面が三角形に近いような形状になっています。サイドスイッチもいちおうなんとか押せるように工夫。失敗したらハサミで切ってはずし、もう一度ゆでてやりなおします。「おゆまる」をお湯から出したらすぐペーパータオルなどで水分を取り、水分がペンに入らないように気をつけます。タブレットペンは精密電子機器なのでそのへん注意。 太いタブレットペンを自作したのみならず、それを WACOM に提案してプロフェッショナルペンが売られるきっかけを生んだ、横山宏氏の改造は、Dr. Grip のゴムとエポキシ樹脂使用 ⇒ 【 横山宏氏のタブレットペン 】。intuos 1 にも Dr. Grip のゴムがはまっているようにも見えますが、わたしははめられませんでした。 ペン立てタブレットペンに付属してくるペン立てはまとめてペンを収納できないし、なんか使いにくいので、ガラスのコップをペン立てにしていましたが、(ときどき他の、ボールペンなんかのペン立てに混入したり、いろいろと)、ペン先を下にして立ててると、ペンの自重が筆圧センサーにかかってることになるんで、まずいなあ、と思ってました。そこで、ちょっと改善策を。 こんな安くて丈夫なガラスコップです。いくらだったか忘れた。食事用のコップをひとつこっちに転用してるだけです。サイズはちょっと小さめ。 筆圧センサーに圧力がかからないように、網状のスポンジを底に入れました。これは洗面所の排水口に毛髪がからむのを防ぐためのもの(直径 3 センチ × 6 個で 200 円くらい)。直径が小さいので 2 個を切って組み合わせて底全体をカバーしています。スカスカなのでペン先は隙間に落ちて、ペン先の周囲のところで自重を受けとめることになります。 底が浅くなったらペンが安定しなくなったので、真鍮ハリガネでコップのフタを追加。すごく適当だけど、ひじょうに有効。 タブレット表面の調節タブレットの表面は絵を描くにはツルツルすぎる、と感じることがあります。特にきっちりした線を引こうとするときなんかはそうです。そこでタブレットの上に何かを敷いて使うユーザーが多いようです。これは吉田宏氏がその Painter 解説書(たくさんあります)でいつも紹介しているので、それで広まったのかもしれません。(わたしも吉井氏の本に教えてもらいました。) 何を敷くかはまったく好みの問題です。ちょっと興味があったので、使えそうなものをいろいろ買ってみましたが、これまでのお気に入りは OLFA のカッティングマット(塩化ビニール製)と布に塩化ビニールをコーティングした切り売りテーブルクロスでした。 しかし、もうひとつちょっといいのを見つけました。ダイエーの台所用品売場にあった、「小林カツ代の生活提案・まな板がわり」。これは材質がポリプロピレンでサラサラした感触ですが、たぶんタブレットの透明シートがポリプロピレンなんですが、質感が同じでそれにすこし絹目が入った感じです。透明シートよりは厚く、両面使えるので、透明シートの表面に傷がついてしまったときの替えにもいいかも。 しかも A4 サイズの intuos に、「まな板がわり(大)」(460 円)がピッタリ(A4 のカッティングマットは A4 のタブレットには小さいのが難点だった)。ただタブレットの上に置くとずれるので、タブレットの上面、「まな板がわり」を置いた上下 2 点ずつと左右 1 点ずつに透明ウレタンの「粘着ソフトクッション」という厚みのある円形の透明シールを貼って、置いてある間はずれないようにしてみました。細かい線画のときはこのシートを置き、広い面の塗りのときははずします。 2003/06/01 - シート固定を見た目がマシなものに変更。 (Last Modified: 2003/06/01) |
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